Words
『オーケアノス村 ~村長のひとり言~』
~第6話~
『エラー犬との孤独な戦い』
🏛️ 刺客の登場
静寂(データ処理中)の後に訪れたのは、再開ではなく「拒絶」だった。
いつものようにアナリティクスを開き、
24人の騎士たちの無事を確認しようとした私の前に、そいつは現れた。
YouTube界ではおなじみの、しかし最も出会いたくない存在。
通称、「エラー犬」だ。
画面いっぱいに広がる、虚無的なメッセージと一匹の犬のイラスト。
「問題が発生しました」
「もう一度お試しください」
何度もリロードを繰り返すが、犬は去らない。
あたかも「お前の村など、最初から存在しなかったのだ」
と告げられているような、冷徹な遮断だった。
💡 巨大帝国への抵抗
「……そんなに村の数字が信じられないのか?」
Googleという巨大な知性は、
私の村の維持率142.2%を「解析不能なエラー」として処理し始めたのだ。
24人の騎士たちが、どれほど熱心にループボタンを押し、
どれほど深く『オーケアノス』の深淵に潜っていたとしても、
AIにとっては「あり得ない数値」に過ぎない。
私の開拓した小さな村は、帝国のアルゴリズムという濁流に飲み込まれ、
消滅の危機に瀕していた。
🏺 孤独な監視
「おい!おまえ!!村は無事なのか・・・!?」
「村長!落ち着いてください!」
エラー犬と向き合いながら、私は「ちこちこ」と、
しかし執念深く更新ボタンを押し続けた。
村の様子が見えない。
騎士たちが今、何を聴いているのかもわからない。
だが、確信はあった。
画面の向こう側で、24人の騎士たちは、
エラー犬の遠吠えなど聞こえないかのように、
今も静かに潮流に身を任せているはずだと。
「犬ごときに、この村は潰させない」
私は、見えない村の「村長」として、ただ一人でエラー犬との睨み合いを続けた。
それは、数百万再生を目指す華やかなクリエイターの戦いとは対極にある、
あまりにも孤独で、あまりにも苦しい……
しかし誇り高き、一人の開拓者の抵抗だった。
